乳癌検診応援ブログ
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BIG 1-98試験

2009年07月05日
246PV

ホルモン治療に関する報告をしばらく続けます。
今日はビッグワン試験です。

Forbes先生:
BIG 1-98試験は、当初タモキシフェン5年投与に対するレトロゾール5年投与の有用性を検討する目的で1998年3月に開始された。
その後1999年9月から試験デザインが変更され、
1.タモキシフェン単剤5年投与
2.レトロゾール単剤5年投与
3.タモキシフェン2年投与後レトロゾール3年投与
4.レトロゾール2年投与後タモキシフェン3年投与
の合計4群になった。
しかし、中間解析の結果を受けて、タモキシフェン単剤5年投与群のみ盲検が解除された。
そこで、その時点での単剤投与の比較と盲検化されたままの3群の比較について解析をおこなうこととなり、厳密に言えば本来の目的は達成できていません。
“アロマターゼ阻害剤(AI)をめぐる最新報告 ―SABCS2008からー” 
「San Antonio Breast Cancer Symposium Round Table Meeting」
出演者:
大阪大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科 野口 眞三郎先生
MD Anderson Cancer Center Aman Buzdar先生
University of Newcastle John Forbes先生
杏林大学医学部 乳腺外科 井本 滋先生
熊本大学大学院医学薬学研究部 乳腺・内分泌外科学分野 岩瀬 弘敬先生
愛知県がんセンター中央病院 乳腺科 岩田 広治先生
独立行政法人国立病院機構九州がんセンター 乳腺科 大野 真司先生
東京医科大学 乳腺科 河野 範男先生
聖路加国際病院 乳腺外科 中村 清吾先生
「新薬と臨床」第58巻第3号 別冊 平成21年3月10日発行

昨日に引き続き、やっぱり臨床試験は難しいですね。
途中でやり方を変更してしまうと何が何だか分からなくなってしまいますよね。
でもその限られた情報の中で、うまく必要な情報のみを引き出すと、気が付かなかった事実が見えてくることもあるようです。
明日はまたその、引き出された情報についてみてみましょう。
整形外科と形成外科。
救急外来を担当していると、患者様が混乱していることが良く分かります。
おそらく美容整形という言葉が人々を惑わすのでしょう。
本来、骨折や捻挫は整形外科。
顔の傷などは形成外科の役割になります。
また、乳房再建も形成外科です。
ですから、美容整形という言葉も正確には美容形成なのです。
でも、マスコミの人たちにとっても、番組の中での登場人物を“整形美人”と言った方が、“形成美人”というよりもインパクトがあるので、これからも整形と形成という言葉の混乱は続くでしょう。
最近は乳房再建がとても大事になってきていますので、形成外科を目指す若いドクターがどんどん増えてくるといいなと思います。
ただ、一番の理想は乳腺外科医たちが形成外科の手術手技をマスターすること、そして乳房切除と再建を一度におこなう同時再建におけるインプラント(シリコン)の保険適応が可能になることです。
そうすれば、幸せになる患者さんたちはもっともっと増えると思います。
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