乳癌検診応援ブログ
諦めない女性を 外科医 高橋 保正
が応援します

DCIS

2009年03月17日
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今日は、最近増加傾向のDCISについてお伝えします。
乳腺についてたくさん勉強なさっているかたには、物足りない話かもしれませんが、乳がん検診を受けて、初めてDCISと診断を受けた方には、「その難しい病気は何なの」というご質問を受けることもあります。

「DCIS(非浸潤性乳管がん)は早期乳がんであり、病変を完全切除すれば根治するがんである。
しかし、広範囲に進展する傾向があり、MRIなどの手段を用いても術前に病変範囲を決定するのに苦慮することも少なくない。
乳房切除術をおこなった場合には遠隔再発あるいは局所再発を起こすことはきわめて稀である。
これに対して、NSABP-B17によれば8年局所乳房内再発率は乳房温存手術単独では26.8%、乳房温存手術+術後残存乳房照射(50Gy)では12.1%と有意差を認めた。
施設によるが、全乳がん手術症例での乳房温存率および断端陽性率を比較すると、DCISでは温存率では勝るものの、高率に断端陽性となる場合がある。
DCISの治療に限らず、重要なことは病変の完全切除であり、このために術前画像診断で厳密に乳腺内の広がりを診断し、術式を決定しなければならない。
乳房温存手術の場合には、断端陽性率が高いこと、再手術となる可能性があることを十分に説明しておく必要がある。
“乳腺外科の要点と盲点” 幕内 雅敏先生監修 霞 富士雄先生編集より抜粋引用」

このようにDCISは非常に早期の乳がんであり、完全に治癒することが可能な御病気です。
どうしたら、この病気を乗り越えることができるのかを、一生懸命みなさまもお考えになって、また主治医の先生と何度もご相談いただいて、方針を決めてまいりましょう。
先ほど本日の夕方の診療は終了しました。
何だか、花粉症なのか、扁桃炎なのか、声が全くでなくなってしまって、患者様のみなさまにはご迷惑をおかけいたしました。
私が歌手だったらみなさまを満足させることなんてできませんよね。
医者でも十分にご説明が伝わらなかった可能性もあり反省しております。
今日は、ゆっくり休んで体調を整えます。
と思ったら、今緊急手術の召集がかかりましたので、全力で治療をおこなってまいりますね。
気合いで病気を乗り越えるのも大切なことですよ(^_^)v
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