今日もホルモン反応性と抗がん剤の関係についてです。

「2005年のEBCTCG (Early Breast Cancer Trialists’ Collaborative Group )のメタアナリシスによる報告によれば、CMF, CAF/FECのような多剤併用療法の効果は、ER(エストロゲンレセプター)の有無にかかわらず有意に再発率を減少させている。
しかし、ER陽性例(≧10fmol prot./mgまたはIHC(免疫組織化学染色)陽性)では、ER陰性(ER-poor)例よりも化学療法により得られる利益(再発抑制効果)は少ない。
すなわち、化学療法施行の有無による5年再発率の差(gain)は、
50歳未満のER陰性例で 13.2%
  (5年再発率が化学療法により13.2%改善する; yasuu注釈)
であるのにたいし、
50歳未満のER陽性例(Tamoxifen併用)では 7.6%
  (5年再発率が化学療法により7.6%改善する; yasuu注釈)
であり、また
50-69歳のER陰性例で 9.6%
50-69歳のER陽性例で 4.9%
であった。
いずれの群においても化学療法は有意に再発率を低下させているが、
その利益の程度(gain)はER陰性例に比し、ER陽性例では軽度であった。
“効果予測因子とホルモン反応性を考慮した化学療法の選択”
東京慈恵医科大学 腫瘍・血液内科 小林 直 先生
Mammma第61号 2009年1月  企画・発行:リノ・メディカル株式会社 より抜粋引用」

昨日も申し上げました。
論文の一部を拾い上げて、その文章に一喜一憂するために引用しているのではありません。
毎日毎日少しずつ皆様と一緒に読み進めていきたいのです。
私たち医師は研修医時代から、これを抄読会といってみんなでおこなってきているのです。
でも、ご心配な方のためにお伝えしておきますと、この論文は「化学療法は有意義である」という視点で書かれています。
「ただし、効果が強く出るかどうかは個人差があります。」
という趣旨の論文です。
今、皆様がお受けになっている治療を否定する論文ではありませんから、誤解ありませんように。
また、明日もお付き合いください。
今日は、日本の乳がん病理学の権威の先生を囲んで、神奈川県の乳がん治療の中心メンバーが集まり症例検討会と病理の勉強会がおこなわれました。
神奈川乳がん治療研究会の先生方もおいでになっており、熱いディスカッションが行われました。
土曜日の夕方でしたが、会場は満席で、乳腺外科、放射線部、超音波検査部、病理部の先生方や技師さんが多数参加していらっしゃいました。
私も含めてみんな、1人でも多くの女性を乳がんから救いたいという一心で、懸命にノートをとっていました。
また今日も神奈川県の乳がん治療のレベルがアップした手応えを感じました。
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