乳癌検診応援ブログ
諦めない女性を 外科医 高橋 保正
が応援します

アンスラサイクリンの問題点

2008年12月17日
225PV

今日は、抗がん剤であるアンスラサイクリン系薬剤の問題点について考えてみたいと思います。
そんなことを言うと、アンスラサイクリン系薬剤がまるで悪者みたいに聞こえるかもしれませんが、そういう意味での発言ではありません。
アンスラサイクリン系は現在、乳がんの患者様の強い味方です。
味方のすべてを知っておくことが、敵を知ることになります。
そして、敵を知るためには味方を知らなければなりません(んっ?同じこと言ってるかな?)。
そんなわけで本題に入ります。

「化学療法(抗がん剤治療)の進歩と共に生存率が上昇し、いまや乳がん患者は長期生存が可能な時代となっている。
それに伴い、いかに長期毒性の少ないレジメンを用いるかを考慮しなければならない。
たとえば、アンスラサイクリン系薬剤使用では心不全などの重篤な有害事象が多く、米国のMedicareデータベースを用いた解析では、66~70歳の女性で以前に乳がん治療にアンスラサイクリン系薬剤を使用していた者は、非使用者に比べ10年後の慢性心不全診断率が9.4%高かったことを明らかにしている。
しかし現状では、補助療法からアンスラサイクリン系薬剤を除くことはできない。
それではどのような患者に使用するべきであろうか。
それについては議論の分かれるところであるが、最近のプール解析ではHER2陰性患者でのアンスラサイクリン系薬剤の有用性があまり認められていない結果が示されている。
すなわち、HER2陰性患者の約8割でアンスラサイクリン系薬剤の投与が不要であり、この解析結果は現在乳がん化学療法における最近の話題として注目されている。
第16回 日本乳癌学会 “乳がん化学療法の最新情報” Sandra M Swainより引用」

また明日も最新情報をお伝えできるようにがんばります。
今日はなんだかかなり眠いのですが、記事を更新するまでは眠ることはできません。
「毎日皆様の笑顔のためにすこしでも有意義な情報をお伝えしたい。」
これが私の原動力であり使命だとおもっていますから・・。
みなさまの原動力はなんですか。
色々とみなさまのお話も聞かせてくださいね。
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