昨日の横浜市立大学主催の乳がん学校でも、乳がんの薬物療法の最前線について再確認してまいりました。特に、早期乳がんに対する治療に関しては、現在ザンクトガレン2007という世界中の乳腺外科医が使用しているガイドラインがあります。

「早期乳がんに対する化学療法、ホルモン療法の適応についてはザンクトガレンの指針(2007年)
が用いられる。
化学療法を考慮すべき因子は
腋窩リンパ節転移陽性
浸潤腫瘍径2cm以上
組織核異型度2、3
脈管浸潤あり
HER2蛋白発現または遺伝子増幅有り
年齢35歳未満
である。
早期乳がんに対するタキサンの最適な投与方法は、パクリタキセルは毎週投与、ドセタキセルは3週毎投与が優れることが判明した。
標準的術後療法として抗癌剤治療を約6ヶ月間行い、ホルモンレセプターであるER(エストロゲンレセプター)陽性またはPgR(プロゲステロンレセプター)陽性の場合には、化学療法終了後にホルモン療法を行う。」
  癌研有明病院化学療法科乳癌担当部長   伊藤 良則先生
   日本医師会雑誌 第137巻・第4号(2008.7) より引用

日々乳がんの薬物治療に関する情報は更新され、またハーセプチンなどの分子標的薬剤も続々と開発され、臨床試験が行われています。
がんに悩まされている患者様方には嬉しい情報も入ってきますが、医療費が高騰していくことが今後の問題点になっていきます。
命はお金に代えられない、そう思います。
でもお金がないからと言って治療を拒否される方も実際にいらっしゃいます。
そういう患者様たちの医療費支払いをサポートしてくれるシステムがないかどうかをソーシャルワーカーさんたちに相談し、患者様に安心を提供すること、これも医師の役割だと思います。
これは昨日の乳がん学校でも学んだことです。
医者は病気さえ治療すれば良い。
そういう時代は終わりつつあります。
患者様の生活背景すべてを把握し、病院スタッフ全員で患者様お一人お一人が安心して治療を受け続けられるようにサポートしていく。
そんな時代が始まりつつあります。