今日のお話は
“stage Ⅰ,Ⅱの浸潤性乳癌に対する局所療法で乳房温存療法と乳房切除術で生存率に差があるか”、です。
「現在日本において、stage Ⅰ,Ⅱの浸潤性乳癌(主に腫瘍の直径が3cm以下)に対する標準的局所療法として乳房温存療法(乳房温存手術と温存乳房への術後放射線治療)が定着している。
1972年から1989年までに行われたstageⅠ,Ⅱを中心とした乳房温存療法と乳房切除術との6つのランダム化比較試験のすべてにおいて生存率の有意差は認めなかった。
そこでstageⅠ,Ⅱの浸潤性乳癌症例が乳房温存療法の治療対象に推奨された。
メタアナライシスによる長期成績においても、2つの局所治療群間に生存率の有意差は認めず、さらに20年経過した2つの試験においても生存率の有意差は認められていない。」
                       乳癌診療ガイドライン
このようにしっかりと温存手術をおこない、手術後に放射線治療を行うことにより、乳房切除術と同じ成績が証明されています。
患者様個人個人で病気の大きさや病気のタイプが異なりますので、乳房温存手術が可能かについては、くわしく乳腺外来の先生にお話を聞いてみてください。
来週は、緩和ケア委員会を病院で開催するので、また委員長として準備をしています。今回は、緩和医療に関する勉強会を行い、また今後の緩和ケアチームの活動についての検討会を行いたいと思っています。
緩和医療は、ご存じのかたとご存じでない方がいらっしゃると思いますが、苦痛や不安な気持ちを取り除いてさしあげる治療のことです。
癌の患者様は、告知された瞬間から不安な気持ちが生まれ、そして病気の状態によって痛みや精神的苦痛を感じることがあります。
私たち医師は、癌を治療しながらも、同時に患者様の気持ちも癒してさし上げるのが、使命と考えていますので、常に患者様の気持ちになって様々なご提案をさせていただくようにしています。(私を受診されて、至らない点にお気づきの場合はおっしゃってくださいね。)
医者の中には、癌の治療を手術担当、抗癌剤担当、緩和医療担当と分けて考える先生も多くいますが、私はすべての治療を一人の医師が担当できたら、患者様も御家族も安心するのではないか、と思って日々勉強をしています。
私の担当はここまで、あとは知りません、というようなドクターではいけないと思っています。幅広い分野の勉強をして、どんどんできることを増やしていくのが医師の義務であると考えますニコニコ
いろいろな意見の方がいらっしゃると思いますが、医者にも様々なタイプがいますので、こんな考えの医者もいるということだけお伝えしておきますね。
それではまた。