癌と診断され、告知を受けるのはとてもつらい瞬間ですよね。
私も、つらいお話をするときには患者様の心の痛みを深くかみしめながら行うようにしています。
今日は、「コンセンサス癌治療」より
「癌患者様にみられる代表的な精神症状」についてお伝えします。
「癌患者様が心理的に動揺することは明らかである。
通常は、癌という病名を告知されると、患者様の心は以下のような経過をたどる。
第一段階:衝撃段階(2-3日間)
第二段階:不安定段階(1-2週間)
第三段階:適応段階(2週間前後)
つまり最初の2,3日は、「まさか」とか「やっぱり」と思うことが多い。
多くの患者様は、この時期を振り返って「頭の中が真っ白だった。」という。
その後は、心の動揺が1-2週間は続くので、この段階を「不安定段階」という。
しかし、その動揺も2週間も経過すると徐々に落ち着いてきて、やがては癌に対して正面から取り組み始めると言われている。
そのため、この第三段階を「適応段階」と呼んでいる。
時期的にはこの第三段階に到達しても良いような時期にまだ不安定な情緒状態が続いている場合を、最近の精神医学では「適応障害」と呼んでいる。
またこれが長引いたとき、あるいは重症化したときは「うつ病」と診断される。
癌患者様に関して言えば、うつ病あるいは適応障害と診断される頻度は30%前後である。」
このように、癌と診断され告知されたかたの3人に1人は、とても気持ちが落ち込んでしまい、心療内科の通院が必要となる方もいらっしゃるのです。
この頻度が、日本緩和医療学会でも非常に重視されておりました。
こういった精神的なケアも含めてサポートが必要ですので、癌の診断を受けたらできるだけ早くに緩和ケアチームが登場したほうがよいと私も考えています。
今日このお話をしたのは、癌の診断を受けて悲しい気持ちになって悩んでいらっしゃるのはあなただけではありませんから心配はいりません、ということを皆様にお伝えしたかったのです。
「適応障害」や「うつ」と診断されると、それはそれでつらかったり、あるいは逆にほっとしたりすることもあると思いますが、日本緩和医療学会での精神科の先生の講演でも、これらの精神状態は必ず適切な治療と時間経過で改善するとおっしゃっていましたので大丈夫ですからね。
落ち込んでしまうのは当然のこととして受け止めて、色々なお話を主治医として、さらに必要であれば心療内科の先生に相談することで、少しでもあなたの悩みが解決できればと思っています。
また癌と診断されなくても、何か手術を受けたり、入院したりするだけでも悲しいお気持ちになってしまう方もいらっしゃいます。
私は、できる限りそういったお気持ちの方に気付ける医者でありたいと思っております。
でも、患者様の悲しみの深さに気付けないこともまれにあり、日々反省しております。
昨日は、さだまさしさんの「償い」についてお話しました。
さだまさしさんの歌のなかで結構批判されている歌として、「関白宣言」がありますね。
この歌は、「男尊女卑」の歌といわれ発売当初はさださんはたたかれてしまったようです。
最後まで歌を聴けば、寂しがり屋で、照れ屋で、思ったことをストレートに口に出せない不器用な男性の、愛する女性に対する深い思いをつづった詩であることに気づくはずなのですが・・。
こんなことを書いても、皆様私をたたかないでくださいねモゴモゴ