乳癌検診応援ブログ
諦めない女性を 外科医 高橋 保正
が応援します

非浸潤癌について

2008年03月13日
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 今日は、非浸潤癌についてのお話です。
 非浸潤癌は、その大部分は将来浸潤癌になる可能性を秘めています。また、非浸潤性乳管癌の進展範囲は浸潤性乳管癌と比較して広いことが多いために、一般的には乳房切除術が行われています。乳房温存率は、欧米でも30-40%程度と報告されています。乳房温存療法をおこなった場合は、温存乳房に放射線照射を行い、場合によってはホルモン療法を行うのが一般的です。
 また、乳房温存手術後の病理永久標本の結果、断端陽性あるいはその可能性がある場合には、追加切除あるいは乳房切除または追加照射を含めた放射線療法をおこない、厳重に経過観察する必要があります。
 乳房温存術後の乳房放射線照射は局所再発率を約1/3に減少させます。また、乳房温存術後の断端陽性例に対する補助療法では、放射線照射に加えてホルモン剤のタモキシフェンの服用が局所再発に抑制効果があることが認められています。
 非浸潤癌はリンパ管や静脈にガン細胞が入り込んで転移する可能性はまずありませんし、この段階で治療することができれば98%以上が治癒します。
 マンモグラフィーでの検診をしっかりおこなっていければ、非浸潤癌を見つけて病気を解決することができます。
 ぜひマンモグラフィーによる乳癌健診をお受けください。あなたの体は、あなただけのものではありません。愛する人のために、その命を大事にしてくださいね。
 わたしたち乳腺外科医は女性たちの明るい未来のために、日々がんばっています。
 いつでもご相談くださいね。