乳癌検診応援ブログ
諦めない女性を 外科医 高橋 保正
が応援します

乳腺炎

2008年04月20日
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今日は、胸が赤く腫れ上がった場合に、可能性のある病気についてお伝えします。
乳頭からばい菌が乳腺内に入り込み、化膿してしまう病気を乳腺炎と言います。授乳期に多くおこりますが、授乳期以外でもおこることがあります。
授乳期には、上手に乳房のマッサージや搾乳(母乳をしぼること)、そして赤ちゃんへの授乳を乳房が張り始めたらまもなく行うようにして、乳汁のつまりを防ぐことにより予防します。
症状としては、胸が赤く腫れ上がって痛みが出たり、膿がたまったり、しこり状になったりします。まずは、抗生物質で治療を行います。
これで改善がみられない場合には授乳期であれば、詰まってしまった乳管を乳管ブジーという方法で開通させることによってたまった乳汁や膿を出させます。
授乳期でない場合や、乳管ブジーで改善がみられない場合には、赤く腫れた部分に針を刺して膿を吸い出したり、皮膚を切開して膿を出したりします。
乳腺炎と間違えてはいけないのが、炎症性乳癌です。
胸が赤く腫れた場合には、乳腺炎と炎症性乳癌の可能性がありますので、お近くの乳腺外科にご相談ください。
もうすぐゴールデンウィークです。みなさんはどのようにお過ごしの予定でしょうか。私たち外科医はゴールデンウィーク中でも、常にお困りの患者さんの対応ができるように緊急体制をとっております。
現在、救急医も含めて医師たちの過酷な労働条件の影響で、救急受け入れ病院が減少していることや、ことわりのケースが増えていることが、社会問題となっています。
人の命を預かる立場の病院が、人々の命を救えないのはとても悔しいことです。私たち勤務医たちも、どうしたら患者さんたちが安心して病院を受診できるのか日々深く考えています。
答えが出るのにはまだ時間がかかりそうですが、必ず日本の医療制度が改善する方向に向かうように私たちも努力してまいりますからね。