乳癌検診応援ブログ
諦めない女性を 外科医 高橋 保正
が応援します

ハーセプチンとは

2008年04月28日
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すでに乳腺外科に通院されている方には、耳慣れた言葉だと思いますが、ハーセプチンについてお話します。
ハーセプチンは一般名トラスツズマブという薬品です。分子標的治療薬に分類されます。分子標的治療薬とは、病気の原因となる分子だけに作用する薬です。
通常の乳癌は細胞の増殖が非常にゆっくりなのですが、中には増殖が非常に早い細胞があります。この細胞の表面には研究の結果、「HER2タンパク」という受容体を持っていることが分かっています。
HER2受容体があることにより、外部から癌細胞の増殖に必要な情報を細胞内に取り込んで癌の増殖が開始されるのです。従って、HER2受容体が過剰に発現すると、癌細胞の増殖が盛んになると言われています。
ハーセプチンはこのHER2受容体と結合することによって細胞の情報の入り口にふたをし、癌細胞の増殖に必要な情報を細胞内に取り込めなくする作用があります。
乳癌の組織を染色することにより、HER2の発現を検査し、0,  1+, 2+, 3+と分類されます。ハーセプチンは3+の方に有効です。


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続きは明日です。
今週は、日本癌治療学会の発表登録の締め切りです。5月始めには、日本消化器病学会での発表がありますし、5月末には日本消化器内視鏡学会の発表もあり、常に締め切りに追われている感じです。
いつも自分を追い立てる何かを設定して自分にムチ打ってがんばるように心がけています。
それが結果的に一人でも多くの方の命を救うことにつながると信じていますのでポッ