乳癌検診応援ブログ
諦めない女性を 外科医 高橋 保正
が応援します

閉経前内分泌療法 その4

2008年05月11日
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昨日は、長期間のGnRHアナログの投与を続けるのであれば、卵巣摘除術も考慮にいれる、というお話でした。
渡辺亨先生の論文の一部の抜粋シリーズが続いています。
「閉経前患者に内分泌療法単独でのアロマターゼ阻害剤は適切ではない。GnRHアナログとアロマターゼ阻害剤との併用の有用性は、現在臨床試験で検討されている。
しかし、血栓症の懸念などタモキシフェンが不適応の場合には、臨床試験以外でも考慮して良い。
乳癌診断時に閉経前であっても、術後化学療法後や内分泌療法施行中に閉経した場合、アロマターゼ阻害剤を使用した方がよいというデータもあるが、これに対する警鐘をならす意見もある。
一般的にはアロマターゼ阻害剤のように卵巣の内分泌機能を刺激する働きをもつ薬剤を使用する場合には、その開始前後で血中エストラジオール値高感度測定などにより内分泌機能をモニターする必要がある。」
このように、40歳から50歳前後のかたの内分泌療法を行う場合には、しっかりと血中ホルモンをチェックしておかないと、アロマターゼ阻害剤による刺激で想定外の排卵がおこり、予定外の妊娠が起きる場合があるとのことです。しかしこういった点に注意すれば、閉経前の方に対し今後アロマターゼ阻害剤を投与する可能性がありそうです。
実は、わたしの体がウィルス性胃腸炎の真っ最中のときに学会発表があり、5月9日には体にむち打って福岡に行ってました。
福岡では、日本消化器病学会で腹腔鏡手術に関する発表を行ってきました。げっそりした私でしたが、いつものように元気よく明るく、川崎幸病院の外科代表としてアピールしてまいりました。
まだ全国的にも当院のように、年中無休の腹腔鏡手術を行っている病院は少ないようです。
私が福岡に行っている間は、他の外科メンバーがしっかり病院の患者様たちを守ってくれていたので、あまり大きな声では言えないのですが、夕方学会が終わってからキャナルシティーというところで映画を見てきました。
そうです。
相棒―劇場版―です!!
とにかくスピード感あふれる映画で、出演者たちも豪華メンバーで演技が非常に深く涙がこぼれました。
さらに、日本人の直さなければいけない一面を鋭くえぐっており、非常に心に響く映画でした。
もういちど見たい映画がまた増えました。
ちなみに、ウィルス性胃腸炎で絶食中であったので、福岡滞在中一食も食べられませんでした。
ということで、外科の他のメンバーには映画を見たことを許していただきたいと思います。