乳癌検診応援ブログ
諦めない女性を 外科医 高橋 保正
が応援します

細胞毒性抗癌剤について

2008年05月15日
269PV

もう少しだけ、渡辺亨先生の論文からお勉強させていただきます。
「現在の術後療法において、最も難しい判断が求められる問題の一つに、高度内分泌反応性または不完全内分泌反応性患者における細胞毒性抗癌剤の適応の決定がある。
内分泌療法単独では不十分と考えられる症例として、
①ホルモン受容体が比較的低発現であること
②腋窩リンパ節転移が陽性(特に広範囲)
③組織グレードが高い、あるいはKi67が陽性といった増殖の早さを物語る指標が陽性
④腫瘍径が大きい
⑤腫瘍周囲の脈管浸潤が広範囲にわたっている場合
などが挙げられる。
これらの判断を客観的に支持する検査方法として、Oncotype DXTM, MammaPrintTMなどが提唱されている。」
最後のOncotype DXTM, MammaPrintTMに関しては、乳癌の再発リスクを予測する遺伝子発現解析として注目を浴びておりますが、前者の検査費用は45万円、後者は38万円となっており、まだ日本においては非現実的な検査となっております。
でもこの検査により、不必要な抗癌剤治療を避けることができるかもしれませんので、早急に保険適応となっていただきたいと思います。
東野圭吾さんの本を今いっぱい読んでいます。先日読み終わったシリーズに、こちらでもご紹介させていただいた「黒笑小説」と、さらに「毒笑小説」、そして「怪笑小説」という三部作の笑いシリーズがあります。
いろいろな悲劇と隣り合わせの喜劇がとても上手に描かれていて楽しめます。
—すいません。上から目線で。
この中でも、「怪笑小説」のなかの“鬱積電車”が、混雑した通勤電車の中で読むには最高でした。
いつもラッシュアワーの電車に乗っていて、「この疲れた感じのおじさまはどんなお仕事をしているのかな」とか、「このいらいらした様子のお兄さんは何を考えているのかな」とか、人の心の中を読み取る良い練習の場だとは感じていましたが、こんなありえない結末の小説がかけてしまう東野圭吾さんの才能に驚きです。
またあらたな出会いを求めて、今日も今から本屋さんへ行ってみます。みなさんもどうぞ。
ただし、夢中になって本の世界に入り込みすぎて、電車の乗り越し注意ですよ!!