乳癌検診応援ブログ
諦めない女性を 外科医 高橋 保正
が応援します

トリプルネガティブ乳がん

2009年07月11日
327PV

今日は、第17回 日本乳がん学会総会の御報告です。

2007年度最終報告
Triple Negative乳がんの生物学的特徴と治療法に関する研究
日本乳がん学会登録委員会の資料によると、2004年度登録症例の14,749例のうち、ER,PgR,HER2が測定してある症例は11,705例(全体の79.4%)で、そのうちトリプルネガティブ(すなわちER(-),PgR(-),HER2陰性;yasuu注釈)乳がんは1,819例(15.5%)であった。
これまで、トリプルネガティブ乳がんは充実腺管がんに頻度が高く、また、髄様がん、化生がん、アポクリンがんにも高頻度に存在することを報告した。
すなわち、トリプルネガティブ乳がんは表現型としてレセプターが陰性である様々な亜型の集団であり、それらの中でEGFRやサイトケラチン5/6が陽性であるbasal-like型を区別する必要があると思われた。
また、予後や術前療法の反応性を解析したところ、ER/PgR陽性HER2陰性のluminal like乳がんに比べて、トリプルネガティブ乳がん、HER2乳がんはDFS(無病生存期間;yasuu注釈)、OS(全生存率;yasuu注釈)において予後が不良であり、術前化学療法(主にアントラサイクリンを含むレジメンとタキサン系薬剤の逐次投与)の反応性も、トリプルネガティブ型、HER2型は明らかに高かった。
また、術前化学療法奏効(pCR)例においてDFSやOSなどの生存率予後が良い傾向は、トリプルネガティブ乳がん以外よりもトリプルネガティブ乳がんにおいてその差が大きかった。
班長:
岩瀬 弘敬先生 熊本大学大学院 乳腺・内分泌外科
班員:
紅林 淳一先生 川崎医科大学 乳腺甲状腺外科
太田 智彦先生 聖マリアンナ医科大学 乳腺内分泌外科
津田 均先生  防衛医科大学校 病態病理学講座
黒住 昌史先生 埼玉県立がんセンター 病理科
宮本 和明先生 国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 臨床研究部・外科
“第17回 日本乳がん学会学術総会” 抄録集より抜粋引用

さあ。
明日は横浜市立大学主催の乳がん学校が開催されます。
全国からチーム医療を学ぶために志を持ったメンバーが集まってきます。
病棟が落ち着いていたら、私も卒業生として参加させていただけたらと思っています。
日々、乳腺の診療は進歩しておりますので、また昨年よりもバージョンアップした乳がん学校に期待しています。
私たちの病院の看護師さんも参加メンバーに入れていただきましたので、一緒に学ばせていただきたいと思います。
そして新たな情報を脳の引き出しにいっぱい入れて、患者様たちから鋭い質問をいつされてもお答えできるように準備しておかないといけません。
だって、患者様たちも毎日一生懸命勉強されているのですからね。
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