乳癌検診応援ブログ
諦めない女性を 外科医 高橋 保正
が応援します

ザンクトガレン 2009 part 20

2009年08月01日
305 ビューPV

今日は元気になりました。
たくさん英語を読みたい気分です。
皆様もそうでしょ?
えっ?押しつけがましいですか?
またまたごめんなさい。

-Surgery(外科的治療)
Results of sentinel node biopsy after neoadjuvant chemotherapy are reliable as described in a meta-analysis and supported by experience at a single institution.
術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検の結果は、メタアナリシスでも信頼できると評価され、単一施設からの報告でも経験的にも支持されている。
The definition of adequate surgical margins remains controversial with a majority of North American radiation oncologists willing to accept a margin as negative if the tumour does not extend to the inked specimen surface , while surgeons and European radiation oncologists prefer a clearance of 2-5mm in addition to this.
十分な外科的断端の距離の定義については意見が分かれるところであり、北米の放射線腫瘍医の大多数は腫瘍が断端面に存在していなければ断端陰性であるとの概念を呈しているのに対し、外科医やヨーロッパの放射線腫瘍医は断端面から2~5mmの距離が必要だと考えている。
Invasive tumour found at the inked margin is associated with increased ipsilateral breast tumour recurrence.
断端面に浸潤がんが存在すると同側の乳房内再発が増加する。
Evidence was presented that a more generous margin was required in ductal carcinoma in situ(DCIS) , perhaps reflecting the propensity of this disease to discontinuous spread.
DCIS(非浸潤性乳管がん;yasuu注釈)において断端からより大きく距離をとる必要があるというエビデンスがあり、それはその非連続的に広がりをみせる特徴を反映しているのである。
Lobular carcinoma in situ(LCIS)at the margin is not regarded as an indication for reexcision.
LCIS(非浸潤性小葉がん;yasuu注釈)は断端に存在しても再切除の適応とは考えられていない。
Studies to investigate the necessity of axillary dissection for patients whose sentinel node biopsy contains only micrometastatic disease (<2mm) are under way. センチネルリンパ節生検で微小転移(<2mm)のみが存在した場合に腋窩郭清が必要かについては臨床研究が進行中である。 Meanwhile , experience from a single institution suggests that the rate of axillary recurrence remains <2% at a median follow-up of 39 months. 一方、ある研究では追跡期間中央値39ヶ月において腋窩再発率は2%以下であると報告されている。 The use of contralateral prophylactic mastectomy is clearly increasing in several series though the rationale remains unclear , and evidence that this procedure improves survival is lacking. 対側乳房の予防的切除は増加傾向にあるが、いくつかの研究においてその論拠が不十分のままであり、これが生命予後を改善するというエビデンスは不足している。 “Thresholds for therapies: highlights of the St Gallen International Expert Consensus on the Primary Therapy of Early Breast Cancer 2009” A. Goldhirsch , J.N. Ingle , R.D. Gelber , A.S. Coates , B. Thurlimann , H.-J. Senn and Panel members Annals of Oncology Advance Access published June 17,2009 “治療閾(しきい)値:早期乳がんの初期治療に関するザンクトガレン国際専門家合意会議 2009” 日本語訳担当:NPO法人がん情報局翻訳部 渡辺亨、田原梨絵、渡辺露敏 よりそれぞれ引用

英語の論文読破シリーズもすでに、パート20までまいりました。
難しいので読み飛ばしちゃって、私のコメントだけみてくださっているかたも、本当にありがとうございます。
あとで読み返してみて、ほんの少しでもお役に立てれば幸いです。
実は中には、英語を文型のチェックから単語一つ一つの解析までおこなって下さっている方もいらっしゃるのですよ。
とっても嬉しくてありがたいです。
皆様、それぞれのスタイルでこちらのブログを見守っていてくださいね。
明日、関連の病院で医療祭というものがございます。
その中で、キッズの外科手術体験コーナーがあるんです。
私たち外科医が近隣のお子様たちに、実際の手術の方法などをご紹介したり、腹腔鏡手術をシュミレーターを使って体験させてあげたりします。
もちろん針と糸で人の肌の模型を縫合したりも体験できます。
今、不規則で、つらくて、危険で、拘束時間が長いこと、また訴訟が多いことから、外科医になりたい医学生たちが減少してきています。
ですから、将来の外科医たちを子供の時から育てていくのも、私たちの使命だと思います。
どれほど、抗がん剤治療や遺伝子治療など非手術的治療が進んでも、外科的な治療手段を受け継いでいかないといけません。
なぜなら、手術はどんなに医学が進んでも無くなることはありませんから。
私たち外科医は、熱い情熱を持った将来の外科医たちに期待しています。
↓熱い情熱の人は、熱い情熱を持った人のもとに集まります!!明日は、たくさんの情熱を子供たちに見せてくださいね!!と、応援クリックをお願いできますか? クリックで一人でも多くの方を乳がんのお悩みから救ってまいりましょう。みなさまの応援を、心より感謝申し上げます。
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