乳癌検診応援ブログ
諦めない女性を 外科医 高橋 保正
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乳房温存手術 その2

2009年04月29日
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ある日、どなたかが乳がんの診断を受けて、自分たちで手術方法を選択しなければならないときに少しでも参考になりますように、今日も情報提供をさせていただいています。

「不思議なことだが、乳房温存には明確な定義が存在しない。
もともと乳房温存という医学用語そのものが不可思議である。
医学用語の常識からすると、胃の一部を切除して胃の形態および機能を温存する手術は胃部分切除術であり胃温存術ではない。
同様に、乳房温存手術は乳腺部分切除術、あるいは腫瘍直上の皮膚を含む乳房部分切除術が正式な医学用語であろう。
欧米の「breast conserving operation」を直訳すると「乳房保存術」となるが、これでは切除した乳房をガラス容器の中のホルマリン液内に保存するように感じられるため、乳房を温かく残すという意味をこめて乳房温存術という名称が採択された。
従って、乳房温存術とは乳がん組織をきちんと切除しつつも、乳頭・乳輪を含む皮膚、皮下脂肪、乳腺からなる乳房を形良く、しかもバランス良く残す手術とする。
著しく形態を損なう乳房広範部分切除は乳房温存と呼称しない。
<温存手術の分類 黒木祥司先生 (九州大学大学院臨床・腫瘍外科)>
“乳腺外科の要点と盲点” 幕内 雅敏先生監修 霞 富士雄先生編集より抜粋引用」

明日は乳がんの院内勉強会があります。
院外の先生方もお呼びして、症例検討会や講演会などを予定しています。
講演会は私が担当させていただくことになっています。
今回も、全病院スタッフに声をおかけしています。
毎回、職種を問わず、みんなで一緒に乳がんについて学ぶ会にしています。
自分たちのおこなっている検査の所見、手術所見、病理所見について熱いディスカッションをおこなうことによって、全ての患者様の治療がまたさらにより良い方向に向かうことを目指しているのです。
明日の講演会の準備をまた今から続けなければいけません。
みんなに理解しやすく、それでもって心を打つようなお話ができるといいな、と思っています。
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