今日は乳房手術の種類別に適切な乳房再建法についての御報告です。
「いずれの方法で再建するかはあなたが受けた乳房切除の術式によります。
1.ハルステッドの手術
かつて「定型的乳房切除術」と呼ばれたこの術式は、胸筋をすべて切除するため組織欠損が大きくインプラントだけでは再建できません。
組織量の多い腹直筋皮弁が用いられます。
2.胸筋温存乳房全摘術
皮膚の欠損はありますが、胸筋が温存されているため、皮膚と乳房のふくらみだけを補充すればいいのです。
インプラントを用いる場合は、組織拡張法によって皮膚を引き伸ばしてからインプラントに入れ替えます。
3.皮下乳腺全摘術
乳頭・乳輪やしこり直上の皮膚を温存し、乳腺だけを全摘する方法です。
皮膚を補充する必要がないため、インプラント法で再建が可能です。
自分の組織を用いるときは筋脂肪弁を使うでしょう。
同時再建に向いています。
4.乳房温存療法
そもそも乳房温存とは乳房の形を美容的に温存することを意味しているのですから、その術後に再建が必要になること自体が矛盾しています。
しかし、乳房温存療法が普及するに従って、ひどい変形をきたした例をよく見ます。
放射線が照射してあるために再建はきわめて困難です。
乳房温存療法後に局所再発し全摘となった場合も、同様に再建は困難です。
乳ガン110番 南雲吉則先生他 日刊工業新聞社より引用」
従いまして、乳房温存療法を受けられる予定の方や受けられた方は、放射線治療を受ける必要性をよくお話を聞いていただいて納得していただく必要があります。
また、再建を強く御希望される場合には、無理に温存手術にこだわらない方が良いかと思います。
でも最終的には主治医の先生とご相談して決めていくようにしてくださいね。
もうすぐ大晦日ですね。
今年もたくさんのお悩みを患者様とともに分かち合い、何とか解決できないかと御一緒に考えてまいりました。
それでも解決しきれないことはたくさんありますよね。
たくさんのみなさんのお悩みを除夜の鐘とともに吹き飛ばしてさしあげたいです。
最近はお気楽な年末年始を日本国民は望むようになってしまって厳粛さが足りないと思いますので、私だけでも今年はNHKをみて除夜の鐘を聞きながら大晦日を過ごしたいと思います。
あくまでも希望ですので実際の過ごし方と異なる可能性がかなり高いことはお許しください。
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