今日も乳がん学校に参加して得た情報の中から特に厳選して有意義な情報を皆様にお伝えしていきます。
抗癌剤による副作用として最も最初に皆様の頭に浮かぶのは吐き気ではないでしょうか。この、吐き気や食欲不振がまず患者様にとってつらいこととなります。この副作用さえなければもっと、楽に抗癌剤治療を受けられるのにと考えている患者様が多いと思います。
抗癌剤治療開始時からの時間経過で、出現する吐き気の原因が異なってきます。
嘔気の種類を大きく分類すると以下の通りです。
1.即時型
投与後1-2時間後に始まり、遅くとも24時間以内に消失するもの。
2.遅延型
投与後24-48時間後に始まり、数日持続するもの。
3.予測型
抗癌剤投与による嘔吐経験者による。
1.即時型はセロトニン(神経伝達物質)放出による嘔気であり、5-HT3受容体拮抗薬が有効です。
2.遅延型は消化管の運動が障害を受けることや細胞破壊産物が作られることが原因であるので、消化管運動機能亢進薬やステロイドホルモン剤が有効です。
3.予測型は、抗癌剤投与による嘔吐経験のある患者様に多く見られます。抗不安薬などが有効です。
このように私たち癌治療担当医は適切な時期に、適切な治療を追加していくことによって嘔気が軽くなるように調整しております。
それでもつらい患者様もいらっしゃいますが、最終的には病気を乗り越えようとする強い気持ちで、副作用を抑え込むことになることがあります。
ところで9月中旬に、緩和ケアに関する勉強会があってそのなかで私のちょっとした発表が予定されています。
日本内視鏡外科学会の発表が終わったと思ったら次には、またそんな発表が待っています。
それら一つ一つに全力投球していますが、一つ終わるとまた次の課題、また一つ終わると次のハードルと、自分で知らないうちにどんどん自分のおしりを叩いていて、笑ってしまいます。
わたしのおしりがお猿さんのように真っ赤っかにならないように気をつけます (*^_^*)