今の世の中は非常に便利です。
いろいろなデリバリーがあります。
ピザ、お弁当、お寿司、釜飯、おうどん、ラーメン・・。
今日は抗がん剤のデリバリーシステムについてお伝えします。
このシステムは、できるだけ正常細胞に気づかれることなく、目的地であるがん細胞へ抗がん剤を正確に配達し、確実にがん細胞を退治する考え方です。
第9回よこはま乳癌シンポジウムにおける国立がんセンター東病院臨床開発センターがん治療開発部 部長 松村 保広先生の御講演とがんセンター東病院のホームページから引用させていただいてお伝えします。
「固形腫瘍は腫瘍新生血管の増生、血管透過性の亢進そしてリンパ回収系の未熟という特性をそなえており、正常血管から漏出しない、かつ網内系で捕獲されにくいという条件をそなえた高分子物質は腫瘍組織へ到達し、腫瘍血管から容易に漏出し、長く腫瘍組織内に留まるというEnhanced Permeability and Retention (EPR)効果という概念を提唱し、そのアイデアに基づき幾多のDDS(Drug Delivery System)製剤が作製されてきた。
抗がん剤内包ミセル体もEPR効果を具現化するために作製された。
抗がん剤内包ミセルの歴史は、
1986年EPR効果の提唱(Matsumura Y and Maeda H Cancer Research)
1989年世界初の抗がん剤内包ミセル作製(Kataoka K,Yokoyama M,Okano T Markromol.Chem.)
2001年 抗がん剤内包ミセルの臨床試験開始」
明日も、ドラッグデリバリーシステムについてです。
大腸癌の再発に対して点滴抗がん剤治療をおこなっているお父様と娘さんが、「先が見えなくて不安でたまらない」と、昨日の外来に受診されました。「抗がん剤のためにどんどん元気がなくなっている気がする。このまま抗がん剤を続けて大丈夫なのでしょうか。」ともおっしゃっていました。
同じ悩みを持っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃると思います。
私はこのように今の治療に不安を感じていらっしゃるかたに、いつも、自分の両親、兄弟、親族であれば自分はどの選択をするかを考えながらお話しています。
今回も、「自分のお父さんだと思って一番良いと考える治療を選択して行っています。御本人も御家族もみんな病気のことでご心配をされている気持ちはとってもよく分かります。でも、他のどの病院にも負けない治療を行っています。御本人のつらい気持ちを僕たちも支えていきますから、御家族も一緒にがんばっていきましょう。」
そうお伝えしました。
外来では他にお待ちいただいている患者様ももちろんたくさんいらっしゃいます。
でも、不安でたまらない方に事務的な対応をして短時間で外来を終了することは私にはできません。
私の外来の待ち時間は他の先生より少し長いかもしれません。
お待ちいただいているかた、いつも申し訳ありません。
必ずご満足いただける医療を提供できますように、ベストをつくしますので皆様のご理解を今後ともよろしくお願い申し上げます。
今週月曜のお昼に3年目の後期研修医の先生から私たち外科医と病棟看護師さん、手術室看護師さん、医局秘書さんにふるまいがありました。
いつもお世話になっている方達に対する御礼をしてくれたのです。
その内容は・・・・・・・ケンタッキーフライドチキン 100ピース!!でした。
お店のひとが、注文の時パニックになっていたそうです。
そしてできあがりまで1時間30分もかかったそうです。
それを病院に運んでくるのも大変でした。ご苦労様でした。
みんなにその気持ちは届きましたよ。ありがとう。
色々な形で、私たち外科チームは団結を深めています。
私たちのチーム医療は日本一!
いつもそう思いながら、そしていつもそれを目標にがんばっています (^o^)
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