今日は、“腋窩リンパ節郭清には治療的意義があるか”です。
「腋窩リンパ節郭清に関するランダム化比較試験として代表的なNSABP B-04という臨床試験がある。
この臨床試験では、stage Ⅰ,Ⅱの臨床的に腋窩リンパ節転移陰性乳癌症例を3群に分け、①胸筋合併乳房切除術、②単純乳房切除術+腋窩の放射線療法、あるいは③単純乳房切除術+二期的腋窩リンパ節郭清をおこなった。
一方臨床的に腋窩リンパ節転移を認める症例を2群にわけ、①胸筋合併乳房切除術、あるいは②単純乳房切除術+腋窩の放射線療法を行った。
その結果、10年のみならず25年という長期フォローアップの成績でも、生存率において前者の3群間および後者の2群間に有意差を認めなかった。
そこで、一般には腋窩リンパ節郭清は生存率向上に寄与しないとみなされている。
しかし、腋窩リンパ節郭清は局所制御の目的でおこなう意義はある。」
乳癌診療ガイドラインより
このように、乳癌に対する手術において、積極的に腋窩リンパ節郭清を行う意義は薄れてきています。しかし、転移したリンパ節が皮膚に炎症をおこして出血したり、痛んだりということを防ぐ意味で転移したリンパ節を切除します。これが局所制御です。
また、転移が何個のリンパ節にあるかによってその後の治療方法が異なるので、その診断のためにリンパ節郭清を行います。
しかし、できる限り不必要なリンパ節郭清を行わなくて済むように、私たちはセンチネルリンパ節生検という方法を取り入れています。
今日はみなとみらいのパンパシフィックホテルで胃癌の勉強会がありました。
慶応義塾大学消化器外科教授の北川雄光先生のお話を伺ってきました。主に、早期胃癌に対する腹腔鏡手術に関するお話でした。
私たち川崎幸病院でも、早期胃癌に対する腹腔鏡手術を行っておりますので、自分たちの治療方法が日本の中でも最先端のものであることを再確認してまいりました。
御講演のあとに、北川先生とお話しごあいさつをさせていただきました。そして今後も御指導をいただけるように、お願いしてまいりました。
川崎地区にも慶応義塾大学出身のの先生方がたくさんいらっしゃるので、多くの先生方と今後ももっともっと交流を深めさせていただきたいと考えております。
つねに勉強会に参加し、日本の権威の先生方のお話をうかがい、自分たちの行っている診療が正しいことを再確認する、そしてより良いと思うことを取り入れて明日の診療につなげていくことを常に心がけております。
明日の番組ではどんな感じでフジテレビのディレクター様が編集してくださっているかどきどきします。とっても穏やかなディレクター様で、撮影の合間もとても楽しく過ごさせていただきました。良い経験になりました。
日々起きていることすべてのことが自分にプラスになっていると感じながら生きています