今日は、がんの痛みの緩和、すなわち緩和医療について少しお話しますね。
緩和医療とは、癌と診断を受けた方が心の苦痛や不安、そして体の痛みやつらさが少しでも緩和されるように行うべき治療です。
この中には、精神的なサポートや、疼痛を抑える治療が含まれます。
毎日新聞社のMMJという小冊子に、癌性疼痛に関するアンケート結果がのっていました。
「痛みの経験がある癌患者様のうち64%が癌性疼痛治療を受けていないと回答。
その内訳は、
痛みを主治医に訴えたことがない。 29%
痛みを訴えたが、うまく伝えられなかった。 16%
痛みを訴えたが、医師に詳しく聞かれなかった。 12%
痛みを詳しく聞かれたが治療はされなかった。 7%」
緩和ケアや痛みのコントロールに関しては、一般的にはまだ多くの医師が苦手な分野であり、今後私たち日本緩和医療学会会員が中心となって、院内緩和ケアチームをつくりあげ、積極的に活動することによって、病院スタッフの意識改革をおこなっていかなければいけないと思っています。
一方、癌治療に関しても常に、日本の最前線の治療についての知見を深め、積極的な低侵襲手術(腹腔鏡手術など)や入院、外来化学療法(抗癌剤治療)も行っていかねばなりません。
少しでも多くの方が、幸せになれるよう、これからも色々とできることを着実に行ってまいりますね