もし実現可能であれば
がんが
身体の中から
消えて欲しい。
患者様と
日々御一緒の時間を
過ごす中で
心から思うことです。
でも
現実は
なかなかうまく
行きません。
完全に
がんを消し去るとは
一体
どういうこと
なのでしょうか?
完全に
がんが消失する。
つまり
顕微鏡で見て
完全にがん細胞が
消えている状態を
病理学的完全奏効
と言います。
英語では
pathological
complete
response
略して
pCR(ピーシーアール)
と呼びます。
術前化学療法で
pCRが得られた症例では
non-pCR
すなわち
pCRでなかった症例と
比較して
無病生存期間(DFS)
全生存期間(OS)
が良好であった。
(NSABP B-18,27の論文結果)
pCRが得られた症例では、
5年生存率の有意な上昇を
認めた。
(Aberdeenの論文結果)
今までおこなわれた
術前化学療法の
統合解析では、
Her2
や
トリプルネガティブタイプでは
pCR症例は
non-PCR症例と比較して
予後が良好であった。
一方で、
ホルモン陽性乳癌では
一定した見解が
得られていない。
pCRの
予後予測因子としての
意義は
悪性度の高い
サブタイプにおいて
その重要性は増すが
現時点では
確立していないと
結論されている。
HER2タイプの
術前治療である
NeoALTTOにおいても
化学療法薬に
抗HER2薬を
2剤併用することにより
有意に
pCR率は上昇したが、
期待された
予後の改善は
認めなかった。
pCRが
得られた症例では
比較的良好な予後が
期待できるが
高いpCRが期待される
化学療法レジメンを
選択しても
疾患全体で
必ずしも
再発率の低下に
つながらないと
考えられている。
このように
乳がんの患者様において
完全に
がんが消える
可能性はあります。
手術前に
抗がん剤治療を
ご提案された時には
動揺せずに
じっくりと
その目的を理解し
副作用も理解し
積極的に
取り組んでいくことが
大切なのです。
まずは
ご自身が今
どのような状態にあり
どのような治療を
必要としているのかを
しっかりと
把握することも
重要です。
そのためには
主治医の先生に
遠慮無く
質問できる
患者力を鍛えることが
必要なのです。
(参考文献:乳癌診療ガイドライン2015)
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