本日は少し診断の難しい病気についてご説明します。のう胞内乳頭腫についてです。
良性ののう胞内乳頭腫か、のう胞内乳癌かの判別については、高齢者や、腫瘍径の大きいものに癌である可能性が高い傾向にあります。でも、細胞診・のう胞内液の性状・CEA値・マンモグラフィ所見等では、決め手にならない場合が多いようです。
のう胞内乳頭腫は症状・大きさによって術式が異なってきます。血性乳頭分泌物を伴うような場合には、乳管内乳頭腫に準じた手術を行うこともあります。つまり、その乳頭腫を含む乳腺区域を切除(乳管腺葉区域切除)という手術を行います。この手術は、乳腺全体の1/8~1/5程度を切除するため、傷も乳房変形も腫瘤を摘出するだけの場合に比べて大きくなります。
のう胞が限局して乳頭分泌物もないような場合には、のう胞だけを摘出する術式となります。この時はのう胞壁を破らないようにするために、周囲に正常な乳腺組織をつけて、のう胞を取り囲むようにして少し大きめに切除します。
このように、良性か悪性かを簡単に見分けることの難しい病気です。診断には、時間がかかる場合があります。
検査も何回もきていただかないといけないことがあります。何回も来ていただくのは、ガン細胞が混ざっていたときに発見が遅れないためですので、ご理解くださいませ。