乳癌検診応援ブログ
諦めない女性を 外科医 高橋 保正
が応援します

乳腺MRI検査の精度

2015年08月08日
499PV

えりさまからの、

ご相談をご紹介します。

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初めて

ご相談申し上げます。

一か月程前に

左乳房に

固いしこりを発見し、

すぐに病院にかかりました。

マンモグラフィー、エコーの検査

をしましたが、

乳腺が発達しているので

マンモでは確認出来ず、

エコーにてやっと

腫瘍が確認出来ました。

先生がおっしゃるには

形が多少いびつなので

悪性も疑い、

MRIと針生検をしましょう

ということになりました。

結果が出て

腫瘍を3回取ったけれど、

3回とも悪性の所見が出ず、

うち一回ははっきり

線維線種の所見

だったそうです。

ここまではよいのですが、

MRIにて

造影剤の集積が

多数見られたとのことで

画像診断は

「非浸潤がんの疑い」

だとの説明が

ありました。

しかし、

しこりそのものは

線維線種との診断が

出ているので

結果的には悪性を否定し、

経過観察

ということになりました。

2か月後に

再度診察を受けるのですが、

それまで放置しておいても

大丈夫でしょうか?

非浸潤がんが浸潤がんに

なって

しまわないでしょうか?

とても丁寧に

説明をしていただいて、

納得をして帰宅したような

気がしていたのですが、

乳がんかもと思って

今日までいろいろ

調べてきたので、

「非浸潤がんでも

 治療の対象」

と書かれているサイトが

殆どなので

若干心配になっています。

私は40代ですが

子宮筋腫の摘出術を

おこなっていて

生理がありません。

影響はありますか?

長くなってしまい恐縮ですが、

どうぞよろしく

お願いいたします。

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高橋です。

えりさま。

ご相談

ありがとうございます。

せっかく色々

検査をお受けになったのに

かえって不安に

なってしまいましたね。

きちんと針生検で

しこりが検査

できているとすれば、

しこり自体は線維腺腫で

良性なのだと考えます。

生理が無くても

女性ホルモンは体内に

ございますので、

線維腺腫は

できる可能性はあります。

乳房造影MRIは、

非常に小さい乳がんを

見つけることができる一方で、

あれもこれも乳がんの疑い、

となってしまう場合が

あります。

これを

偽陽性(ぎようせい)

といいます。

乳腺造影MRIの特異度、

すなわち

陰性のものを陰性と

診断する能力は

報告により

37~97%と

ばらつきがあります。

この数字からわかることは

陰性のものを

陽性と診断してしまう確率、

すなわち

偽陽性率も

ばらつきがあるということです。

従って、MRIで

乳がんの疑いと言われても

経過観察をする場合が

ございます。

2~3ヶ月前後で

病状が急速に悪化する

ということはなく

2~3ヶ月後の病状は

今と変わらないというのが

乳腺外科医の見解です。

しかし

乳腺造影MRIにより

超早期乳がんの

発見率も上がっており

非常に

有意義な検査と言えますので、

もしご不安な場合には

もういちど超音波検査で

詳細に乳房を

観察していただき

ほかの部分に

異常がないかを

チェックしていただく

いわゆる

「セカンドルック乳腺エコー」

良いかもしれません。

お役に立てて

いるでしょうか。

またご相談くださいね。

応援しています。


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