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最近、
こんな質問を
患者様から受けました。
「今までに
もっとも大変だった手術は
何ですか?」
ちょっと難しい
質問です。
簡単な手術は
実は存在しないんです。
すべての方の手術は
ご本人にとって
命がけの手術です。
私達、外科医も
お一人お一人を
本気で大切に
手術をおこないます。
ですから
すべての方の手術は
簡単ではなく
大変な手術です。
その中でも
時間的に長時間という
分け方で考えると
大腸がんが他の臓器に
食い込んでいて
大腸と十二指腸、
そして膵臓や胆管を
一緒に切除した方の
12時間の手術が
最も大変だったかも
しれません。
ここまで病気が
進行した患者様に
大きな手術をして
命を縮めてしまうのでは
ないだろうか?
当時、
まだ若かった私は
そんな疑問を抱きながらも
患者様を守るために
手術に集中しました。
手術が終了し
約1ヶ月の入院ののちに
おじさまは
笑顔で退院していきました。
その後は
おじさまがお元気かどうか
知る由もなく
再び外科医として
手術に明け暮れる日々。
ある日、
久しぶりに
その病院に伺うことがあり
病院の近くを歩いていて
何となく公園に立ち寄りました。
たくさんの親子が
砂場で遊んでいます。
そんな子どもたちの姿を
目を細めて
見つめている
おじいさま、おばあさま。
「素敵な光景だな。
みんなそれぞれの人生を
楽しみながら
一生懸命生きている。」
そんな風に思いながら
みんなの顔を
見ていると
なんだか懐かしい顔が
その中に。
あのおじさまです。
手術からすでに5年が
経過していました。
元気そうに笑顔で
お孫さんと遊んでいます。
なんだか
お邪魔するようで
お声がけできませんでしたが
とっても幸せな気持ちに
なりました。
「あの時、
頑張って手術して良かった。
あの時に
手術は不可能であると
諦めていたら
今のおじさまの笑顔は
なかった。
諦めるか
諦めないかの
判断は難しいが
少なくとも
そのときの判断は
間違っていなかった。」
医師の仕事は
適切に状況を判断し
患者様を正解に
導いて差し上げることです。
決してムダな治療は
ないのです。
考えることを
やめては
いけません。
最善の治療が
そこにはあるはずです。
答えを本気で探せば
必ず見つかります。
それを信じて
くださいね。
いつもあなたを
応援しています。
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