有岡 仁先生のお話の最終日です。
 お話のポイントをお伝えします。
 今日は分子標的治療薬についてです。
 新たな分子標的治療薬として、まだ日本では承認されていませんがラパチニブ(商品名:タイカーブ)という経口薬があります。
 分子標的治療薬のうち、トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)はHER-2たんぱく質のうち細胞の外側に出ている部分に結合しその機能を抑制します。
 その一方でラパチニブはHer2たんぱく質の細胞内領域に備わっているチロシンキナーゼ活性を阻害します。
 臨床試験では、Her2たんぱく質陽性の患者様にカペシタビン(商品名:ゼローダ)との併用でラパチニブを投与すると、カペシタビン単独より腫瘍が進行するまでの期間が優位に延長することが認められました。(Geyer CE, New England Journal of Medicine 2006)
 
 その他、転移性乳がんの初回治療としてタキソールと分子標的治療薬であるベバシズマブ(商品名:アバスチン)を併用した治療法は、タキソール単独治療と比較して無増悪生存期間を延長させると報告されています。しかし、全生存期間はアバスチン併用しても変わりませんでした。
(Miller K, New England Journal of Medicine 2007)
 今後の乳がん治療は患者様毎に遺伝子解析を行い、有効な治療を選別し必要のない治療を避ける方向に向かっていくと考えられます。
 まだ、日本ではMammaPrintやOncotypeDXのような遺伝子解析が承認されていませんが、今後の乳がん治療の方向性が見えてきていると思われます。
 以上、横浜労災病院腫瘍内科 有岡 仁先生のお話からお伝えしました。
 連日オリンピックの話題でにぎわっていますね。
 選手たちはプレッシャーに勝ち、みんなの期待に応え、そして自分に打ち勝ってメダルを手にしています。
 どれだけ自分に厳しくできるか、そして当日すべての流れをいかに自分に引き寄せることができるかが、勝敗を分けるのだと思います。
 また“日々多くの方に支えられているという感謝の気持ちを忘れないということ”、選手たちのインタビューを聞いていると、このことの重要性を感じます。
 毎日感謝の気持ちをたくさん持って、みなさんがんばっていきましょうね。
 はい、私もそういたします (*^_^*)