今日は、悩まされている方が多いリンパ浮腫についてお伝えします。
 リンパ浮腫は、乳癌の手術で脇の下のリンパ節郭清や放射線の照射および癌の転移が原因でおきます。こうした原因により、リンパ管がふさがったり圧迫されたりしてリンパの流れが滞ってむくみが生じるのです。
 特に、腕から肩の方に流れるリンパ液が流れにくくなると、腕にリンパ液がたまって腫れ上がります。
 リンパ浮腫は、乳癌術後2~3年で起きることが多く、10年経過してもおきる方もいらっしゃいます。
 なかなか完全に治すのは難しく、症状の軽減のために、リンパの流れを促す肩の上下運動やボールを握りしめる運動、そしてマッサージや弾性スリーブの着用などをお勧めしています。
 せっかくしっかり乳癌の手術を受けたのに、こうした一つの後遺症に悩まされる方が多く、手術自体を後悔されてしまうかたも少なくありません。
 今は、できるだけリンパ節を郭清しない方向で、私たち乳腺外科医は考えておりますが、リンパ浮腫を心配するあまり、癌細胞の詰まったリンパ節を取り残すわけにもいかないのです。
 センチネルリンパ節生検という方法も、施設によっては行っております。詳しくはお近くの乳腺外科を受診してお話を聞かれてみてはいかがですか。